今回は、リールを選ぶときに出てくる、知っておきたい用語についてまとめていきます。

前回はロッド(釣竿)についての用語でしたが、釣りに必要な道具はまだあるので、順番にまとめていきますね。

釣具を選ぶ際は、釣具店の店員さんに相談するのがやはりおすすめです。

店員さんも熱心に教えてくれると思いますが、その説明で出てくる用語の意味が分っていたほうが、自身の納得のいく買い物ができると思います。

また、カタログ等でスペック(性能表)などを見る時にも役立ちます。

釣具はなにげにお金がかかりますからね、後悔しないように揃えたいですよね。

以下、ルアーフィッシング、ショアジギングを想定しています。



リールのスペック表をみてみよう

今回は、リールを選ぶときに出てくる用語についてまとめていきます。

釣りに関するこれまでの投稿は、以下よりご覧頂けます。

これまでの投稿一覧

月下美人 MX 2004Hのスペック

スペック表の例として、私も買ったダイワさんのメバル用リールの月下美人MXのスペックを例としてあげます。


(画像をクリックするとAmazonにとびます)

参考:月下美人MX|ダイワ
※後継機のリリースにより、リンク先も新しいリールへと変更しました

月下美人 MX 2004Hのスペックは、以下のとおりです。

  • 巻取り長さ:75cm
  • ギヤー比:5.6
  • 自重:215g
  • 最大ドラグ力:2kg
  • 標準巻糸量:フロロ 3-140/4-100(lb.-m) PE 0.3-150/0.4-120(号-m)
  • ベアリング(ボール/ローラー):6/1

それぞれの意味を以下にて説明します。

が、その前にリールのタイプと各パーツの名称を先に紹介します。




リールのタイプと各パーツの名称

リールのスペックの説明の前に、リールの種類についてです。
リールには、大きく2つのタイプがあります。

スピニングリールとベイトリールです。
見た目から違うので、すぐに分かります。

例に挙げた月下美人 MX 2004Hは、スピニングリールになります。

スピニングリール

下図のような、ロッドにぶら下げるように取り付けるリールをスピニングリールといいます。

スピニングリール

リールフット

ロッドにリールを取り付けるためのパーツです。

ハンドル

ハンドルを回すと、ベイルアームがスプールの周りを回転してラインを巻き取ります。

スピニングリールの多くは、ハンドルを左右に付け替えることが可能です。
リールを扱い易い方に、ハンドルを持っていくとよいでしょう。

スプール

ラインを巻くためのパーツです。

急な大物が掛かった場合などのために、ある程度長さに余裕をもってラインを巻きましょう。

ラインローラー

ラインを巻き取る際に、ラインが触れるリールのパーツです。
ラインローラーが回転することで、ラインに余計な摩擦をかけずに巻き取ることができます。

ベイルアーム

ラインをラインローラーまで誘導するパーツです。

ベイルアームには2つの状態があり、ベイルアームを起こした状態と倒した(戻した)状態です。

起こした状態では、ラインがフリーになるので、ルアーを投げる時や沈める時にはベイルアームを起こします。

ラインを巻き取る際には、ベイルアームを倒した状態にします。
ラインの巻き始め時に、ラインをラインローラーに誘導しています。

ドラグ調整ノブ

ラインが切れないように、ある一定以上の強さでラインが引っ張られると、スプールが引っ張る力の強さに負けて滑って回転することでラインを送り出す機能をドラグ機能といいます。

ドラグ調整ノブは、スプールが滑り出す力の強さを調節するパーツです。

ベイトリール

下図のような、ロッドの上に載せるように取り付けるリールをベイトリールといいます。

ベイトリール

リールフット

上図では見えないんですが、ロッドに取り付けるためのパーツなので、下部にちゃんとあります。

ハンドル

ハンドルを回すと、スプールが回転してラインを巻き取ります。

スプール

ラインを巻き取るパーツです。
ベイトリールでは、スプール自体が回転してラインを巻き取ります。

クラッチ

クラッチを押すことでスプールがフリーになり、ラインが出て行くようになります。
クラッチを押してスプールをフリーにすることを「クラッチをきる」と言います。

クラッチをきった状態でハンドルを回すと、クラッチをきった状態からラインを巻き取れる状態に戻ります。

レベルワインダー

スプールに均一にラインを巻くためのパーツです。
ハンドルを回すとレベルワインダーが左右に動き、ラインが特定の場所に巻き取られないようにしています。

ドラグ調整ノブ

スピニングリールと同じ機能を持ったパーツです。

メカニカルブレーキ

スプールの回転しやすさを調節するパーツです。

ベイトリールでは、ラインを放出する際にスプールが回転しますが、ラインの放出が止まった直後のスプールは慣性で回転しようとします。
すると、ラインの放出は止まっているのにラインを出そうとするので、ラインが緩んで絡まってしまうバックラッシュが起こります。

このバックラッシュを抑えるために、スプールの回転に負荷を掛けるブレーキの力の強さを調節する機能がメカニカルブレーキです。




巻取り長さ

ハンドルを1回転させたときに、巻き取れるラインの長さの目安です。

ハンドルを同じくらいの速さで回転させてルアーを動かしているのに、魚が釣れる人と釣れない人がいたとします。
魚もその時々で反応するルアーの速さがあり、ハンドル1回転の巻取り長さが異なると、リールのハンドルの回転速度が同じでもルアーの速さが違うため、魚が釣れる人がいたり、釣れない人がいたりすることになります。

ギヤー比

これは、ハンドルを1回転させたときに、ベイルアームまたはスプールが何回転するかを表しています。

例えば、月下美人 MXには、ギヤー比の異なるノーマルギヤの2004と、ハイギヤの2004Hの2つのタイプがあります。
ノーマルギヤが”4.8″に対し、ハイギヤだと”5.6″なので、若干回転数が多くなります。
先の巻取り長さに関係しいて、ハイギヤの方が回転数が多いので、その分、巻取り長さも長くなります。

ギヤーのタイプとしてはローギヤもあり、文字通り回転数が少ないタイプです。

ハイギヤは、巻取り長さが長くなるので遠投する釣りや、ショアジギングで高速でリトリーブ(ラインを巻いてルアーを泳がせる方法)する場合に有効です。

ローギヤは、スローリトリーブを多用する釣りや、ギヤー比が小さい分パワーがあるので大物釣りの場合に有効です。

ただ、最初に買う場合は、ノーマルギヤで十分で、ほぼすべての釣りに対応できます。
釣りに慣れてきて、ノーマルギヤでは物足りなくなってきたら、ハイギヤやローギヤを検討しても遅くはないと思います。

自重

リールの重さです。

月下美人 MX 2004Hの場合、215gです。

使用するロッドの重さとリールの重さのバランスが極端に悪いと、扱いづらくなる場合があります。

最大ドラグ力

ほとんどのリールには、ドラグと呼ばれる機能があります。
ラインが切れないように、ある一定以上の強さでラインが引っ張られると、スプールが引っ張る力の強さに負けて滑って回転することでラインを送り出す機能のことです。

このスプールが滑り出し始める引っ張る力の強さのことをドラグ力といいます。

ドラグ力の強さは、ドラグ調整ノブを緩めたり閉めたりすることで調整できます。
最大ドラグ力は、ドラグ調整ノブを少しづつ閉めていき、スプールが滑ってラインを送り出せる最大の力の強さのことです。

月下美人 MX 2004Hは2kgなので、ラインを引っ張る力の強さが2kgまでドラグ力を調整できることになります。

ただ、実際には最大ドラグ力まで使うことはほぼないので、参考程度に考えればよいと思います。

例えば、月下美人 MX 2004Hで標準巻糸量の目安にある4lb.のラインを使ったとすると、ラインの強度は約1.8kgとなります。
ドラグ力はラインの強度の1/3~1/2くらいにする場合が多いので、約0.6~0.9kgになるからです。

標準巻糸量

スプールに巻けるラインの長さの目安です。

例えば、フロロ 3-140/4-100(lb.-m)の場合、3lb.のフロロのラインなら140m、4lb.なら100といった具合です。

PEラインの場合は、PE 0.3-150とあれば、0.3号なら150mという意味になります。

ただ、同じlb.数であっても、号数であっても、メーカーによって微妙にラインの太さが異なるので、あくまでも目安ということになります。

ベアリング(ボール/ローラー)

リールに使用されているベアリングの数のことです。

リールは、ハンドルやギア、スプールなど、回転するパーツが多く、回転の摩擦を軽減するために、ベアリングが使用されています。

ボールベアリングは本体部分に、ローラーベアリングはラインローラー部に使われているベアリングの数になります。

特に気にしなくてもよいと思います。




その他の用語

番手

リールの大きさを示す数字のことです。

月下美人 MX 2004Hの場合、”2004″の部分が番手に当たります。
“2004”なので2000番と呼ばれます。

この番手ですが、統一された規定とかはないため、同じ番手でも各メーカーさんで比較するとリールの大きさに差が出てしまいます。
ダイワさんとシマノさんでは、同じ番手ではダイワさんのリールが大きくなる傾向があります。

ダイワさんの番手と対象魚の目安を簡単にあげます。

1000番:アジ、メバル
2000番:アジ、メバル
2500番:エギング、シーバス、真鯛
3000番:エギング、シーバス、真鯛、フラットフィッシュ、ライトジギング、ライトショアジギング
3500番:シーバス、フラットフィッシュ、ライトジギング、ライトショアジギング
4000番:ジギング、ショアジギング
5000番~:ブリやマグロなどのでっかいの

月下美人 MX 2004Hだと、アジ、メバル用ですね。

ソルト対応・ソルトウォーター

海釣りを想定していることを意味します。

リールが錆びにくい素材でできており、また水洗い可能な構造になっていたりします。

対象魚にあわせてリールもラインナップされているので、対象魚からリールを選べば間違いはないと思います。

汎用、釣種専用、投げ・遠投用

リールのカテゴリとして、汎用、釣種専用、投げ・遠投用をよく見かけます。

汎用は、特定の釣りに特化したものではなく、どんな釣り方にも対応できるリールです。

汎用に対し、釣種専用、投げ・遠投用は言葉のとおり、ある釣り方に特化したリールになります。

釣種専用は対象魚に対して特化し、投げ・遠投用はそのままの意味のキャストに特化しています。




おわりに

今回は、リールを選ぶ際に知っておいたほうがいい用語についてまとめました。

ロッドと同様に、リールを選ぶ際も釣具屋さんで相談するといいと思います。

個人的には、最初に買うのであれば、アジ・メバル用か、汎用の2000番くらいのスピニングリールをおすすめです。

今回の投稿が、あなたの納得できる買い物に繋がる一助になれば幸いです。

次回は、ラインについての記事を投稿したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。